Mystery
Cherrsee
3:27充分寝たもうサイレンが 空っぽな五時を迎えに来た 僕を溶かしたバター 塗りたくったこの部屋 戦争映画鳴らす隣人 目眩を打った銃声 煮える残暑の刹那 世界の終わりみたいな 赤 寂しくなったらきっと それすらはしたない あなたを待ってもずっと 遠い日の花火なのでしょう 染まり続ける翠の扇動に 疲れ果ててもまだ貴方の横顔は美しい この想いはまるで 散らずに枯れた紫陽花のようだ 終わりを待つ約束だけが僕を歩かせる 次の季節へ 戦争映画は鳴き止んでいた 塩素の匂いは 空白を塗りつぶしてくれた 秒針の怒鳴り声もさ いつからか 愛おしく思えていた 戦争映画は鳴き止んでいた 静寂の中 浮かぶ船の帆は靡みかない 思い出にすらなれない夏は 永遠になった 誄歌ようなヒグラシの声に眠る 寂しくなったらきっと それすらはしたない あなたを待ってもずっと 遠い日の花火なのでしょう