待たせてごめんよ

今日までどうにか 歩いて来たが
ふりむけば足あとに お前の涙がしみている
男の見栄に ふりまわされて
俺は自分に 嘘ついていた
待たせてごめんよ 幸せになろう

笑顔をうかべた 化粧の影で
ふりつもる悲しみを お前は黙って耐えていた
約束なしの 小さな部屋で
何度季節を 見送っただろう
待たせてごめんよ 幸せになろう

贈ったものなど 数すくないが
銀色のコンパクト お前は大事に使ってる
一人で泣いて 一人でふいた
寒い心が 鏡にうつる
待たせてごめんよ 幸せになろう

一緒にいながら 気付かぬほどに
この俺の胸深く お前はひそかに生きていた
破った夢が 多すぎるから
残る一つは かなえてやろう
待たせてごめんよ 幸せになろう